中小企業診断士 自立に向けてのブログ

中小企業診断士にまつわる話を軸に、様々なトピックについて取り上げていきます。

イノベーションについての考察

 長い間技術開発にかかわっていると、あきあきするほどイノベーションという言葉を聞かされます。
 いわく、イノベーションを起こせと。さぁ起こせと。今すぐ起こせと。
そのくせ人は削るは予算は削るはで、”こっちはイノベーションどころじゃないよ(*_*;”という気持ちでいました。経営者側の中には”予算をかければイノベーションを起こせるわけではない!ヾ(*`Д´*)ノ"彡”や、”じゃぁ聞くが、いくら出せばイノベーションを起こせるんだ!?言ってみろ!(゚皿゚メ) !!”なんて、こっちの不平不満が不当のように怒鳴り散らす人もいました。そんなとき、”1兆円投資してくれるならやってやるよ”と心の中で嘯いてみるのですが、”ふざけるな!(`△´+) !!”なんて言い返されるのが目に見えているし、あまりたてつくとこっちが整理の対象(まさに5Sの”整理”の意味ですね[1])になりかねないので、きまって口をつぐんでいました。
 昔の話なのですが、少々、愚痴になってしまいましたね。。(-_-メ)


 さて、診断士およびその卵の皆さん、イノベーションってどうしたら起こせるのでしょうか?そして、そもそもイノベーションってなんなんでしょうか?
 ウィキペディアをみると、なんとなく理解できたような説明がありましたが(これを読むと、正直パラダイムシフトとの区別がまたややこしくなりました。。[2])、ざっくばらんに”形になった画期的なアイディア(技術)”と理解しておくことにしましょう。[3]


 最近ですが、”真説・企業論 ビジネススクールが教えない経営学”という本を読みました。[4]難しい内容ではないので、ご興味のある方には是非一読することをお勧めします。そこの中に、イノベーションとは「不確実性に向けた資源動員」という文言が出てきました。私の理解では、”うまくいくかどうかわからないけど、やってみるだけの価値があるものに賭けること”だと理解しました。ここで、うまくいきそうだと思う”判断”ややってみるだけの”価値”は主観的な(主観に近い)ものだと思います。


 これを読んだとき、そうだよなぁとしみじみ感じました。 
 そもそも誰もやったことがないことをやろうとしているのだから、失敗することの方が多いでしょう。どうしてうまくいきそうだと思うのかなんて、だれもがうまく説明できるものではなりません。だから、先駆者は理解されないことが多いのです。
 しかしそれでも挑んで失敗して、にも関わらず投資を継続して、また挑んで失敗して、
それを何度も繰り返すうちにやがて小さな成功へとつながってきたのだと思います。


 で、どうすればイノベーションを起こせるか?ですが、上の話からもわかるように、失敗しても続けることだと思います。それには会社の大小にかかわらず、長くそのビジネスを続ける、そして人材を長期にわたって育てていくことが必要なのではないでしょうか?そうしているうちに、やがてだれも追いつけない技術やアイディアを形にしていけるようになる、即ちイノベーションが起きるのではないでしょうか?


 中国の諺で”ゆっくり歩む者のほうが、息長く遠いところまで進んでいける”というのがあるそうです。まさにこれかなぁと。


 それにはお金と時間がかかるのは当然であり、せっぱつまった経営者にそれを納得してもらうのは難しいとは思いますが、コンサルタントとしてそれをご理解いただき、そしてビジネスを続けていけるように支援していくことが必要かなぁと思いました。


[1]5S - Wikipedia
[2]パラダイムシフト - Wikipedia
[3]イノベーション - Wikipedia
[4]

真説・企業論 ビジネススクールが教えない経営学 (講談社現代新書)
真説・企業論 ビジネススクールが教えない経営学 (講談社現代新書)
講談社

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