中小企業診断士 自立に向けてのブログ

中小企業診断士にまつわる話を軸に、様々なトピックについて取り上げていきます。

経済学:期待効用(と確実性等価)

 1次本番まで残すところ2週間となりました。
 私が受験生だったころ、”2週間後には試験会場で試験を受けている”状況を想像するだけで、胸がドキドキしていたのを思い出します。でもこんなことをやっていても不毛なだけでなく本番までに疲れてしまいますので、皆さまはあまり考えないよう勉強に集中してくださいね。(^_^;)


 あまり詳しくないのですが、サマージャンボの季節ですか?とある本で、宝くじの規格化した期待値(購入金額1に対していくら戻ってくるか)は1を下回るので、購入すると損をすると書かれていました。ここを見ますと、年末ジャンボでは”0.5”らしいです。[1]競馬では0.75、パチンコでは0.9と、これらの賭けごとも十分損をするのですが、宝くじはこれらと比較しても低い期待値となっています。これだけみると、宝くじは買うだけ損ということになります。まぁ、そもそも賭けごとというのは、基本、損をするものと言えばそれまでですが。。ですので、こういったものにお金を使うのは愚かと言える、、、でしょうか?


 私は当初そのように思っていました。しかし、中小企業診断士の経済学を勉強して、その考えが必ずしも正しいものではないのではないかということに気付きました。


 経済学に期待効用確実性等価という概念があります。[2]経済学を勉強していた当初、この期待効用と確実性等価に関する問題が何回かでてきたのですが(例えば経済H26-23)、何がやりたいんだか訳がわからず、用語を憶え、ひたすら解けるように解き方を勉強していました。その時はそこで止まっていたのですが、とある本の中に、上記のような宝くじの規格化した期待値が1より低いことについて触れた箇所を目にして、”ほとんどは損をする(期待値が低い)のに、それでも人は宝くじを買うようなぁ、なぜかな”と思っていたとき、ふとこの期待効用と確実性等価という概念が頭をよぎり、それが宝くじの期待値と結びつき、すぅーっと理解できた気になりました。平たく言うと、”ほとんど損をする(期待値が低い)かもしれないけれど当たればがっぽり儲かる(期待効用が大きい)場合、それに喜んでお金を使う人がいる”というものです。これは試験に出るようなリスク回避でなく、むしろリスク愛好の場合に言えることだと思いますが(※)、まぁ、思い返してみれば当たり前のような気がします。そのように思った時、それまで宝くじを購入することを愚かだと思っていた考えが一変し、本人が満足すれば別に購入してもいいんだという気持ちになりました。


 宝くじについてよく夢を買うなんて言う人がいますが、確かに宝くじで一等賞が当たったときを想像すると楽しいものです。家を買おうか、高級車を買おうか、或いは世界一周してこようかなどなど、、。
 それくらいしか思いつかないのが恥ずかしいのですが。。(^_^;)
 ただ、それでも私は宝くじを積極的に購入しないでしょうね。これは私個人の趣味の話ですが、単純に100%運だけの賭けごとってあまり好きではないからです。賭けをするにしても自分で数字を選んだり、自分なりに馬の状態を判断したりした方が、はずれても納得がいきますから。


 受験生の皆さまは、1次試験がマークシートだからと、すべてを運に任せないでくださいね。(^_^;) ちょうど1年前のエントリーにも書きましたが(2016/7/22 本番までにやれそうなこと 参照)、せめて各科目で50点は取れるように勉強しておくことをおススメします。。


※リスク愛好の場合、リスクプレミアムが負となりますが、これがどんな状況なのか、いまいちよく理解できておりません。。


[1]年末ジャンボ宝くじの期待値をおさらい!やっぱり当たる気がしない。 - カロさんのログるんです
[2]経済学15-リスク回避と期待効用仮説: 独学で証券アナリストを受ける人のためのブログ

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