経済学:GDPについて
(前回の続きを投稿予定でしたが、予定を変更して今回の記事を投稿します)
消費税増税について、今年の夏(参議院選挙)の焦点になりそうです。衆議院を解散して、衆参同日選挙との話も聞きます。どうも、今年は、熱い夏になりそうです。受験生の皆様におかれましては、1次試験前で、それどころじゃありませんが。。(+o+)
最近、ニュースとかでやってますが、個人的に発言に注目しているクルーグマン教授とスティグリッツ教授が来日して[1,2]、国際金融経済分析会合で消費税増税の先送りを発言し、代わりに各国が協調して財政出動するべきとのこと。5月下旬には伊勢志摩サミットもあり、世界経済についての議論が予想される中、現在の緊縮財政から、いよいよ財政出動の気運が高まってきたようです。( *´艸`)
なぜ、財政出動(政府支出)が必要かというと、診断士試験では経済学で"政府支出乗数"というのを勉強しますが、ずばり”GDP(国内総生産)”が増加するからです。20年近くに及ぶデフレ下で、消費や投資は抑えられ、更に政府の緊縮財政で日本はGDPを減らしてきました。下図をみますと、特に1997年から1998年にかけてGDPが急激に減っていますが、この時何があったかというと、3%→5%への消費税増税です[3]。アジア通貨危機も相まって、消費税増税はこれほど如実にGDPを減らしました。その後、米国の不動産バブルによる輸出増などでGDPが増えた年もありましたが、もろもろの世界的な経済危機(リーマンショックとか)で1997年を上回ったことはありません。このような状況で、14年に5%→8%と消費税増税し、そしてさらに10%にするなんて、やめていただきたいものです。(-_-;)
[出典] 名目GDPとは?
なぜGDPを気にしているかというと、”GDP三面等価の原則”というのを勉強しますが、そのうち”分配面”からみると、ざっくりいうと国民に分配される所得と考えることが出来るからです。即ち、GDPが減るということは国民に分配される所得のパイが減るということ。消費税増税はこのGDPを明らかに減らすので、再先送りでなく、是非、凍結してほしいというのが本心です。そして財政出動(政府支出の増加)。上記のように、こちらはGDPを増加、ひいては私たち国民の所得を増加方向にもっていきます。マイナス金利でも、民間は消費や投資を増加させようとしない経済状況で、是非とも財政出動をしてGDPを増加傾向にもっていっていただきたいです[4]。
それに、個人的に税負担が軽くなるのもうれしいのですが、マクロ経済環境がよくなれば、中小企業にとっても必ずプラスになりますから。
[1]
- そして日本経済が世界の希望になる (PHP新書)
- PHP研究所
- 本
[2]
- 世界の99%を貧困にする経済
- 徳間書店
- 本
[4] 財政出動の際、いわゆる”国の借金”問題や、”マンデル・フレミングモデル”、”クラウディングアウト”などが議論になりますが、これらに対する反論は以下が参考になると思います。
- 三橋貴明の日本を豊かにする経済学
- ワック
- 本